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【助産師が伝える】つわりがつらい時の対処法|食事・受診サイン・家族のサポート

person holding belly photo
目次

つわりは「生きてるだけでつらい」── まずは知ってほしいこと

「ご飯のにおいだけで気持ち悪い」「水を飲んでも吐いてしまう」「布団から起き上がれない」

そんなつらさの中で、この記事にたどり着いてくれた方も多いと思います。

つわりの症状や強さは、本当に人それぞれ。私が助産師として現場で見てきた中には、「生きているだけでつらい」、そう感じるほど追い詰められたお母さんもたくさんいらっしゃいました。重すぎるつわりに耐えきれず、悲しい決断をされた方もいるほどです。

つわりは、決して「気のせい」でも「甘え」でもありません。

この記事では、現役の助産師として、つわりの時期に試してほしい対処法と、受診の目安、そしてご家族へのお願いまで、まとめてお伝えします。

つわりはいつまで続く?個人差はとても大きい

つわりは、早い方で妊娠5〜6週ごろから始まります。終わる時期は、16週ごろに落ち着く方が多いですが、これも本当に個人差が大きいです。

私がこれまで関わってきた妊婦さんの中には、30週近くまで重症のつわりで入院していた方もいらっしゃいました。

「みんなはもう楽になってるのに、私だけまだつらい」── そんなふうに比べて落ち込まないでください。いつまで続くかは、本当に人それぞれ。あなたの体は、あなたのペースで赤ちゃんを育てています。

つわりの種類 ── ひと口に「つわり」と言ってもいろいろ

「つわり」と一言で言っても、症状の出方は人によってさまざまです。代表的なタイプを紹介します。

  • 吐きづわり:吐き気や嘔吐を伴うタイプ。一番イメージされやすい、典型的なつわり
  • 食べづわり:空腹になると気持ち悪くなり、何か食べていないとつらいタイプ。空腹を避けるため少量ずつ何度も食べる必要があります
  • においづわり:特定のにおい(ご飯の炊ける香り、歯磨き粉、洗剤、パートナーのにおいなど)で気持ち悪くなるタイプ
  • よだれづわり:唾液が止まらず、飲み込むのも気持ち悪く、タオルやコップに吐き出して過ごす方も
  • 眠りづわり:とにかく強い眠気が続くタイプ。日中もずっと眠く、起きていられない

複数のタイプが重なる方もいれば、途中で別のタイプに変わる方もいます。「自分のつわりはこれ」と決めつけず、その日その日の体調と向き合っていきましょう。

つわり中の食事 ── 「食べたいものを食べたい時に食べれるだけ」

つわりの時期、「ちゃんと栄養を摂らないと」と無理に食事を頑張る方が多いのですが、私が妊婦さんにいつもお伝えしているのはこれです。

自分が食べやすいものを、食べたい時に、食べれるだけ。

これでいいです。むしろ、これが正解です。

この時期は、栄養バランスを考えなくて大丈夫。

「赤ちゃんに栄養が…」と心配になる気持ちもよく分かりますが、この時期の赤ちゃんはお母さんの体に蓄えられた栄養で十分に育っていきます。今は何より、お母さん自身が口にできるものを口にすることが一番大切です。

食べやすいものは、人それぞれ

「つわりに効く食べ物リスト」のような情報をよく見かけますが、実際の現場では本当に十人十色。

  • さっぱりした酸味のあるもの(フルーツ、トマト、酢の物など)が食べやすい方が多い印象です
  • でも、マックのポテトじゃないと食べられない、という方もいます
  • 冷たいもの・氷だけが受け付けるという方もいます

「自分には何が合うんだろう」と試行錯誤しながら、その日その日で食べられそうなものを探していくしかありません。昨日食べられたものが今日は食べられない、なんてことも普通に起こります。

それでいいんです。

試してみてほしい食べ物・飲み物の例

「何なら食べられそうか分からない」というときのヒントとして、よく挙げられるものを並べておきます。

さっぱり・酸味系

  • フルーツ(みかん、グレープフルーツ、いちご、パイナップル、りんご)
  • トマト、ミニトマト
  • 酢の物、梅干し
  • レモン水、レモン入り炭酸水

冷たいもの

  • アイス、シャーベット、氷
  • 冷たい麦茶、冷水
  • 冷やしうどん、ざるそば、冷やし中華

さっぱりした主食

  • おにぎり(梅、しらす、おかかなど)
  • パン(プレーン系、フランスパン)
  • お茶漬け、おかゆ

水分補給

  • 味噌汁、コンソメスープ
  • ポカリスエットやOS-1などの経口補水液
  • ゼリー飲料

「ジャンクなもの(マック、ポテチ、カップラーメンなど)しか食べられない」という方もたくさんいます。それでも大丈夫です。今は罪悪感を持たず、自分の体が受け付けるものを優先してください。

つわり中にやってしまいがちなNG行動

つわりがつらいときほど、つい頑張ろうとしてしまいがち。気をつけたいNG行動をまとめます。

  • ❌ 「ちゃんと三食食べないと」と無理に食事を続ける
  • ❌ 栄養バランスを完璧にしようとレシピを調べる
  • ❌ パートナーや家族に遠慮して「大丈夫」と言ってしまう
  • ❌ 仕事を完璧にこなそうと無理を続ける
  • ❌ 水分も取れないのに「もう少し様子を見よう」と受診を後回しにする
  • ❌ SNSで他の妊婦さんと比較して落ち込む

どれも、頑張りやさんのお母さんがついやってしまいがちなことです。先にもお伝えしましたが、今は頑張る時期ではなく、助けてもらう時期。「逃げる」「頼る」「サボる」が今の正解です。

「ここまで来たら受診を」── 妊娠悪阻のサイン

「これくらいなら大丈夫?」「病院に行ったほうがいい?」── 判断に迷う方も多いと思います。

目安として一番分かりやすいのは「水分」です。

水分をとっても、毎回吐いてしまうような時は受診してください。

水も飲めない・吐いてしまう状態が続くと、脱水を起こし、母体にも赤ちゃんにも負担がかかります。点滴で水分や栄養を補給する必要が出てくる場合もあり、これを「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼びます。

「我慢しなきゃ」と思わなくて大丈夫です。ためらわず、産婦人科に相談してください。

パートナー・ご家族の方へ ── お願いです

つわり中のお母さんは、料理や家事をいつも通りやるのは不可能に近い状態です。

これを読んでいるパートナーやご家族の方、お願いがあります。

言われる前に動いてください

「手伝ってほしい」と言われてから動くのではなく、自分から動いて、彼女を休ませてあげてください

「今はゆっくり休んでてね」── このひと言だけで、滅入っていた心が救われます。

「家のことは全部自分がやる!」その位の勢いでお願いします。

食べやすいものを買ってきてあげてください

「これなら食べられそう」というものがあれば、買ってきてあげてください。

そして ── これが大事なんですが、「昨日はさっぱりしたものが食べたいって言ってたのに、今日は牛丼?」

そんなふうに思う日もあると思います。でも、嫌な顔せず、買い出しに行ってきてください。つわりはそういうもので、本人もコントロールできません。

「今日はこれが食べたい」と言ってもらえる関係でいてあげてください。それだけで、お母さんはどれほど救われるか分かりません。

つわりに関するよくある質問

Q. つわりが軽い・ないと、赤ちゃんは大丈夫?

赤ちゃんに問題があるわけではありません。つわりが軽い方・ない方も多くいて、それで赤ちゃんが順調に育つことはまったく問題ありません。「つわりがないのは異常?」と不安になる必要はないので、安心して過ごしてください。

Q. つわりがあると男の子/女の子になりやすいって本当?

医学的な根拠はなく、よくある迷信のひとつです。つわりと性別に関係はないので、気にしないで大丈夫です。

Q. 市販の酔い止めや漢方薬は飲んでもいい?

自己判断での服用は避けて、必ずかかりつけの産婦人科に相談してください。妊娠中でも飲める薬や漢方は処方してもらえる場合があります。

Q. 水分も取れない時、産婦人科で何をしてもらえる?

多くの場合、点滴で水分・糖分・電解質を補給してもらえます。少し体が楽になりますし、状態によっては入院になることもあります。「点滴に行ってもいいのかな」とためらわず、つらい時は遠慮せず受診してください。

Q. つわりの「ピーク」はいつごろ?

個人差はありますが、妊娠8〜10週ごろがピークと感じる方が多い印象です。それを過ぎると、徐々に落ち着いていくケースが一般的です。

つわりに苦しんでいるママへ ── 助産師から

妊娠は嬉しい反面、体調や心が追いつかず、しんどい時期でもありますよね。

「いつこの辛さが終わるんだろう」── 先が見えなくて不安になる気持ち、本当によく分かります。

伝えたいことは、ひとつだけです。

今は無理しなくて大丈夫。

たくさん家族や周りの人に助けてもらってください。今は頑張る時期ではなくて、助けてもらう時期です。

仕事も、二の次でいい。今は自分と赤ちゃんのことを第一に考えてあげてください。

そして、忘れないでほしいのが、こんなにつらい今この瞬間も、あなたのお腹の中で赤ちゃんはしっかり成長し続けているということ。

つらい時期は、必ず過ぎます。

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